異
「俺は、お前の家の事まではなんとかしてやれないから、お前が頑張れ、あともう少しだけ頑張れ」
私が言われたかったことは私の家にいる人間を、悪く言うわけにはいかないから、いい感じに見繕った社交辞令なんかじゃなくて。
ただただなんでもいいから頑張れと言って欲しかった。
エスパーかなにかなの?
秘密を守るように言ってきた当人は忘れてるかもしれないけど、私は忘れたことないよ。
誰にも言ったことないよ。
今も律儀に守ってるよ。
「大学に入って卒業して、その先がなんにも見えてないのやばいよね、」
ジュース飲みながら自動販売機の前でそんな事を言ったら
「そしたらうちで世話してやるよ」
って自動販売機に背中預けて笑いながら言ってた。
なんやねん、マジで。
「俺は世話しないけど、お前ひとりくらい、、連れて帰ったら俺の母親とかが面倒みるだろ」
どういう意味やねん、マジで。
私だったから特に騒がずにいたけど、私にならなんでも言っていいとでも思ってんのか。
絶対他の子には言わない方がいいぞ。
お世話にならないように、ま、頑張ります。
す。